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うえの小児科クリニック 平日9:00~12:00、14:00~18:30 土曜9:00~12:00 休診は木曜午後、土曜午後、日曜、祝日

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院長のひとり言 はしかのワクチンってどうして回数が増えたの?

今回は2006年から大幅に変更された「はしか」(正式には麻疹といいます)のワクチンについてお話しします。

2007年3月からの大学生の麻疹感染による休講の話題はまだ記憶に新しいことと思います。以前までは1度麻疹になったり、予防接種を受けていれば一生麻疹にはならないといわれていたのに、ここにきてなぜ予防接種を打っているにもかかわらず、麻疹にかかってしまうのでしょうか?

現代の日常生活だけでは、十分な免疫力がつかない!?

理由は子供をとりまく環境がここ20年で大きく変化してきたことによります。以前までの子供たちは比較的外遊びをすることが多く、そのため小学校高学年の子と幼稚園の子などが接触しやすい状況でした。免疫というのは適度に微生物と接触することで刺激を受け、抵抗力が上がりますが、長期間接触がないとその微生物への抵抗力がなくなってしまうのです。ちょうどメールばかりをしていて、手書きの練習をしていないと漢字を忘れてしまうことと似ています。

今問題となっている大学生の年代はちょうどテレビゲームが一般家庭に増えてきた時期の世代で、友達と遊ぶのは同年代と、そして家の中で遊ぶことがほとんどの人たちです。そのため時々いた麻疹の小さい子供との接触がほとんどなくなり1回の接種のみでは免疫が生涯にわたり維持できなくなってしまったのです。

今更30年前の環境に子供たちを戻すことは不可能です。とすれば麻疹そのものを日本から根絶する以外に麻疹にかからないようにする方法がなく、海外の例にならって2回接種となったのです。

もともと現在の先進国の中で麻疹が流行する国といえば日本以外になく、アメリカからは「麻疹の輸出国!!」などという不名誉な扱いを受けていました。日本ももっと早く2回接種を開始するべきだったのですが、副反応に過敏なお国柄のため予防接種の回数を増やすことに国が消極的でした。そして今回の麻疹の流行となってしまったというわけです。

一方、風疹も幼少時の1回接種のみでは妊娠可能年齢での十分な抵抗力が維持できないということがわかっていました。どうせ2回にするならば麻疹・風疹の混合ワクチンを接種するほうが合理的なため今回の「麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)」が開発され2006年4月から1~2歳と小学校入学前1年間の2回接種が開始されました。

確実に予防するためにも2回の予防接種を受けましょう

社会生活が変わった現在、麻疹を完全に撲滅するためには全国民の95%以上の人たちが確実にワクチンを2回接種することが必要です。大学受験の前日に麻疹にかかり大騒ぎ!!というようなことにならないためにも是非MRワクチンの2回接種をしてください。