最近、雑誌やインターネットではアレルギーの記事がさかんに取り上げられ、その情報量の多さに逆にとまどっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそんな方々からよく聞かれる食物アレルギーの質問をピックアップして、答えていきたいと思います。
- 食物アレルギーってどんな病気なの?
- 普通の人が食べた際には、何も問題のない食べ物に対し、
体に異常(湿疹、下痢、咳、ショック症状)をおこす現象をいいます。
一般的には食後1~2時間程度で症状がでてくるものをいいます。 - 食物アレルギーの原因ってどんなものがあるの?
- 全ての食品がアレルギーの原因になり得ますが、卵、牛乳、小麦が3大原因食品です。
- 食物アレルギーの症状ってどんなものなの?
- じんましんなどの皮膚症状が最も多く(80%)、次にゼーゼーする、呼吸が苦しくなるなどの呼吸器症状(50%)が多くみられます。
- 食物アレルギーの診断はどんなことをするの?
- 採血して血液の中のアレルギーを引き起こす物質(IgE、好酸球数など)を測定したり、皮膚に原因食品の刺激を加えて反応をみる検査などがありますが、どれも絶対的なものではありません。
いずれの検査にしても、何の症状もないのに検査をしても意味がなく、その前に、どのような症状がでたのか、また症状がでるまでの時間などを記録し、本当に原因食品として疑わしいかをチェックしてから検査を行うことが重要です。 - 妊娠中や、授乳中に母親は食事制限をしたほうがいいの?
- 妊娠中の食事制限で赤ちゃんの食物アレルギーが減少したとの証拠はなく、普段通りのバランスの良い食事をとることをお勧めします。
授乳中の食事制限には、統一した見解はなく、母親の精神的ストレスなどを考慮した上での食事制限であれば勧められます。 - 食物アレルギーになったら、一生食事制限が続くの?
- 乳幼児期に発症した食物アレルギーは年齢とともに治ることが多く、3歳までに約70%の人がアレルギー症状の出ていた食べ物を食べられるようになります。
9歳になると約90%治るといわれていますので、 一度食事制限を開始しても、1~2年後に再度食べさせてみる価値があります。 - 食物アレルギーの治療ってどんなことをするの?
- 食物アレルギーには食事療法と薬物療法があります。
食事療法
原因食物を食べない以外に食物アレルギーを完全に予防できる方法はありません。
しかし、乳幼児期の食物アレルギーは成長とともに治ることが多く、漫然と食物制限を続けることは必ずしも良いこととはいえません。
主治医と相談のうえ、しかるべき時期に(2歳頃が目安)再度食べさせてみることを考えるべきです。
お薬による治療
日本では食物アレルギーを予防できる薬はインタールという薬の食前投与のみです。
また、その他の抗アレルギー剤(ザジテン、アレジオンなど)もじんましんなどの皮膚症状をおさえるためには、一定の効果があります。