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横浜市 戸塚 小児科 アレルギー科 うえの小児科クリニック

うえの小児科クリニック 平日9:00~12:00、14:00~18:30 土曜9:00~12:00 休診は木曜午後、土曜午後、日曜、祝日

 電話番号:045-869-0311、神奈川中央バス「ブリヂストン前」より徒歩0分

院長のひとり言 小児の食物アレルギー(離乳食を始める前に…)

食物アレルギーのニュースをよく耳にする昨今、初めて赤ちゃんに離乳食を始めるお母様にとってアレルギーの問題は非常に心配です。私のクリニックにも時々「離乳食を始める前に検査をしてアレルギーがないかを調べてください」というような方がいらっしゃいます。

でも少し待ってください!!

最近のご両親は検査が万能と考えがちです。検査はあくまでも症状があっての検査です。症状がないのに検査をすることは、事件が起こっていないのに犯人捜しをするのと一緒であまり意味のあることとは思えません。また検査で陽性の結果がでたとしても、それを食べて何も症状がなければ食べても問題なく、逆に検査が陰性でも症状がでるときもあります。

そもそもアレルギーとは?

そもそもアレルギーとはどういうものなのでしょう?人間には免疫物質という自分を守る兵隊のような役割をするものがあり、これが細菌やウイルスなどから人体を守っています。ところが本来自分を守るための免疫物質が人体にあまり有害でないもの(花粉、食物、ほこり等)に対し過剰に反応し、誤って自分の体に攻撃をする状態がアレルギーなのです。

このアレルギーの中で食物によるものを特に食物アレルギーといいます。症状としては、じんましん、顔面の紅潮、ひどいときはアナフィラキシーという呼吸困難をひきおこし、命にかかわるような状態になることもあります。そのため原因の食物が知りたいわけですが、残念ながら「食べてみなければわからない!」のです。

アレルギーは少量の摂取でも症状がでることもありますし、今まで普通に食べていたものでもある日突然起こることもあります。従って離乳食の前にアレルギーの検査を行っても今後アレルギーを防ぐことは困難なのです。

食物アレルギーの診断から治療までの流れ

これらのことを踏まえ当院での食物アレルギーの診断から治療までの流れをお話しします。まず離乳食を始める以前にアトピー性皮膚炎のような皮膚症状があると、食物アレルギーに移行する確率が高まりますので注意深く経過をみます。

その後、ある特定の食物を食べて30分以内にじんましんのような症状をみとめた場合、食物アレルギーを疑います。この際、じんましんなどの症状は急いで小児科を受診しても消えてしまっていることが多いので、必ずデジカメや携帯電話などで写真をとっておくとよいと思います。

この段階で原因と思われる食物に狙いを絞って採血等の検査を行います。検査結果も陽性ならば食物アレルギーの可能性が高いと判断し、その食物の必要最小限の制限をします。(例えば牛乳で症状がでても乳製品で症状がでなければ牛乳だけの制限になります。)

食事制限をいつまで続けるか

問題はこの食事制限をいつまで続けるかです。私のクリニックでは2歳になった時点で一度アレルギーを起こす力(抗原性といいます)が弱い食物(卵なら少量の卵入りの焼き菓子など)から食べさせてみます。これで症状がでなければ徐々に抗原性の強いものを食べさせていきます。残念ながら途中で症状のでてしまったお子様では、もう1年待ってから再度チャレンジするようにしています。

症状がでるのが不安で、自宅で食べさせるのに抵抗があるお母様には私のクリニックに食物を持ってきてもらい待合室で食べさせてみます。何か症状がでればすぐに対応できますので不安は多少軽減すると思います。この方法がベストだとは言えませんが、無理や不安をできるだけ少なくした方法だと思っています。アレルギーの治療は個人差や家庭の事情もあり画一的に決めることはできません。それぞれのお子様に合った方法をご家族と一緒に考えて、食事は楽しいものだと思えるようにしていくことが最終的な目標です。

平成26年7月から食物アレルギーを中心としたアレルギーの専門外来を予約制で開始しました。
アレルギーでお困りの方は一人でお悩みにならずに是非ご相談ください。


関連リンク:食物アレルギーってどんな病気なの?