赤ちゃんが生後3ヶ月を越えると、いよいよ予防注射の時期がきます。嫌がる我が子を無理やり押さえつけて注射をさせるのは、保護者にとってもつらいものです。
そもそも予防注射はなぜ受けなければいけないのでしょうか?
予防注射は細菌やウイルス(これらをまとめて微生物といいます)などから身体を守るために、ワクチンという本来の微生物の毒性をなくしたもの(人工的に作った微生物)を体内に注射することで、免疫をつける方法です。
免疫とは、読んで字のごとく「疫(えき)を免(まぬが)れる」ということで、何らかの方法で病気にならないようにする、生物の持っている能力の1つです。人間の体、特に小さな子供は、細菌やウイルスにとって絶好の生息場所ですが、免疫能力により微生物が体内で増えるのを防いでくれます。
免疫は、例えて言うならば国の安全を守る警察や軍隊のようなものです
比較的毒性の低い微生物がわずかに侵入してきた時は、警察の役割をする原始的な免疫細胞が反応し撃退してくれます。
強力で大量の微生物が侵入してきた際には、警察だけでは手に負えず軍隊の登場となります。
体内での働きとしては、血液の中の白血球が中心となり、侵入してきた微生物の情報を察知し、それに対する適切な兵隊達(抗体といいます)を出動させて微生物を撃退します。
また、その後進入してきた敵の情報を記憶し、長い間同じ敵が侵入してきても撃退する準備を整えておきます。
予防接種はいざというときのための予行練習!
本当の敵(微生物)が侵入してきても体内の軍隊(免疫)が迅速対応!
予防注射により、はしかやインフルエンザのような強力な敵が身体に侵入する前に、ワクチンを注射することにより、これらに対抗できる軍隊(免疫)を用意しておくことできます。
いざ本当に強力な微生物が浸入した際に、迅速に体の中の免疫物質が出てきて病気そのものにかかることを防いだり、症状を軽くすることができます。
このような理由から、免疫の機能が低い乳児などは、特に予防接種で体を守る必要があるというわけです。
予防注射による免疫のつけ方は微生物の種類によって様々です。
2008.9.1更新